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電験3種の合格率がとてつもなく低い理由

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電験3種の資格取得を目指す場合、多くの方がまず最初に「電験3種の合格率はどれくらいか?」と調べると思います。当サイトにも検索キーワード「電験3種 合格率」で多くの方に訪問されていることもあり、非常に気になる話題であることが伺えます。

 

以前、当サイトの記事「電験3種の合格率」で、過去数年間の合格率をまとめてみましたが、「なぜここまで合格率が低いのか?」という点について管理人的にちょっと斜めから見た見解を2点挙げてみたいと思います。

 

それほど難しくない試験だと勘違いして試験勉強を始める人が多い

 

どういうことかと言いますと、まずこの「電験3種(正式には第三種電気主任技術者)」ってネーミングなんですが、電気主任技術者資格の中では初級資格に位置してますので、一般的な3種/3級に位置する資格試験であればそれほど難易度が高くないのがお決まりのようなもんです。

 

例えば日商簿記3級や、FP技能検定3級など、そこまでべらぼうに難易度は高くありません。

 

そこにきて電験3種は、、

 

初級資格のクセに激ムズです(爆

 

司法試験や税理士試験など一般的に難易度が高いと言われているものは、受験する方もそれなりの覚悟を持って勉強を始められてると思いますが、
電験3種は名前だけで言えば、資格対策本をサラッと読んで勉強すれば合格出来そうなイメージを持たれている方が多いと考えております。

 

そしてこの認識のギャップを裏付ける情報が以下表の数値(赤字)に表れていると管理人は考えます。

 

【過去11年間の電験3種試験結果】

年度 受験申込者 受験者 未受験率 合格者 合格率 科目合格者 科目合格率
平成16年度 59,919 44,661 25.46% 3,851 8.60% 15,140 33.90%
平成17年度 56,676 42,390 25.21% 4,831 11.40% 16,423 38.70%
平成18年度 54,611 41,133 24.68% 4,416 10.70% 12,858 31.30%
平成19年度 55,234 40,608 26.48% 3,647 9.00% 11,939 29.40%
平成20年度 54,509 40,140 26.36% 4,361 10.90% 15,350 38.20%
平成21年度 64,259 47,593 25.94% 4,558 9.60% 17,140 36.00%
平成22年度 68,471 50,794 25.82% 3,639 7.20% 14,240 28.00%
平成23年度 67,844 48,864 27.98% 2,674 5.50% 13,245 27.10%
平成24年度 68,484 49,452 27.79% 2,895 5.90% 14,741 29.80%
平成25年度 69,128 49,575 28.29% 4,311 8.69% 12,381 24.97%
平成26年度 68,756 48,681 29.20% 4,102 8.42% 14,625 30.04%

 

そう。電験3種は未受験率がかなり高いんですよね。すなわち受験勉強を途中で挫折する人がかなり多いってことが見て取れます。
ちなみに他の資格試験の過去10年間の申込み者数−受験者数の割合は以下のようになってます。

 

資格試験名 未受験者率
宅地建物取引主任者(宅建)試験 19〜20%
行政書士試験 21〜22%
社会保険労務士(社労士)試験 22〜23%
第三種電気主任技術者(電験3種)試験 25〜28%

 

他の資格を全て調べたわけではないので一概には言えませんが、電験3種って資格試験の中で試験勉強の挫折率が一番高い資格かもしれませんね。。
そして試験対策が中途半端な状態で受験されている方が多く受験されていることも影響してこの合格率になっているのだと管理人は考えております。

 

科目別合格制度がもたらす罠

 

電験3種の資格試験については3年間で4科目を合格することが出来れば突破することが出来る「科目別合格制度」が適用されております。

 

1科目ごとでかなり広い範囲の学習が必要であるため、1年で4科目に合格することを考えると非常に長い時間を試験勉強に費やす必要があります。
※実際に管理人もそれ相当の時間を費やしました。。

 

ただし、科目別合格制度であれば、1年で2科目、ないし3科目を集中的に勉強すればよいので、必然的に4科目を一気に勉強するよりも1科目に費やせる勉強時間が長くとれます。
ゆえに科目ごとでの合格率もグッと高まることでしょう。

 

まぁ、ここまではメリットの話。

 

では、なぜ「科目別合格制度」が合格率の低下を招くのかと申しますと、理由は2点あります。

 

1つ目の理由は、そもそも「科目別合格制度」自体が受験生に甘えの考えを植え付けてしまうことです。3年間で4科目受かればいいと聞けば、大体の方が「1年で2科目ずつ合格して2年で取得、最後の1年は万が一の保険」と考えてしまうでしょう。

 

そう、この発想が罠なんです!

 

大体こんなうまく行くことは少なくて、どこかで計画が狂ってしまいます。
2科目合格の予定が1科目、あるいは0科目だったりした場合、その次の年度に取らないといけないノルマが必然的に上ります。
科目数を少なく設定した年度で達成できなかったのに、更にノルマを上げて試験勉強をしないといけない。もう、この時点でかなり萎えてしまいます。
もちろん科目別合格を継続的にこなして晴れて電験3種に合格している方も多数おられますが、1,2科目残っている状態で3年経過してしまい合格した科目が復活してしまう方も多くおられます。2chなどでは「電験3種スパイラー」って言われてますが、まさに負のスパイラルにはまってしまう恐れがあります。

 

2つ目の理由として挙げるのは、そもそも試験勉強のモチベーションが何年も続かないことです。絶対に電験3種の資格を取らないといけな理由がある方であれば、モチベーションを保つことが出来ると思いますが、そこまでの覚悟がない方はハッキリ言って最大3年間も同じモチベーションで試験勉強を続けるのは至難の業だと思います。

 

実際に管理人が受験した平成25年については、たまたま仕事がそれほど忙しくなく試験勉強に十分な時間が費やせたのも合格出来た要因だと思っておりますが、これがもし2科目ずつで計画していればハッキリ言って電験3種の資格自体取れていなかったと思います。
というのも次の年は平日は終電まで残業&土日も仕事の日が多かったりとかなり忙しく、とても家に帰って試験勉強をするような余裕はありませんでした。
※モチベーションをゼロに出来る位の状況でした。

 

試験勉強をする時間は取れるが単純にモチベーションが下がってしまうことも大いにあり得ますが、電験3種を目指す方の多くは一般企業でサラリーマンをされてる方が多いと思いますので、ハッキリ言って仕事の状況でこの辺もかなり左右されます。

 

管理人的には、「2年目、3年目はあくまで保険、1年目で4科目一発で合格する!」という計画の仕方がベストだと常々思っております。

 

 

合格率はあまり気にしないようにしよう

電験3種は試験問題の難易度自体も高いので合格率も低くなってしまっておりますが、この記事でご紹介させていただいた要素なども大いに絡んでいると管理人が考えております。

 

ただ、いくら合格率が低かろうとも、ようは各科目60点取れば合格することが出来るので、試験対策をされている方は電験3種の難易度や合格率のことはあまり気にせずに、理論、電力、機械、法規でそれぞれ60点取ることに集中して試験対策をしていただければと切に願っております。


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